こはまの宝物 〜うまいもん!深掘りシリーズ〜『Mカッセ』
構成・文/団田芳子
大阪一円だけじゃなく兵庫、和歌山、京都、埼玉、東京からも!
「コナハマってここですか?」
と粉浜初上陸の方々が、続々とこの店を目指してやってきて、行列を作っています。
粉浜駅前に2020年11月にオープンしたこちらは、今をときめくスパイスカレーのお店。
スパイスカレーって何?
な地元の方も、是非ともトライしてみてほしい。
なんせ雑誌『Meets』のスパイスカレー特集の表紙を飾った大人気店が身近にあるのだから、行かない手はないでしょ!
店内は、カフェか可愛い洋食屋さんのようなオシャレな雰囲気。粉浜にこんな洒落たお店が!と、ウレシイ限り。
ところでスパイスカレーって?
1992年に大阪ミナミのアメリカ村のお店で生まれ、2000年代に大阪に急増。東京に進出する店も出て、
「大阪スパイスカレー」
という新ジャンルとして、日本中で話題のニュースタイルのカレー。
いわゆるカレーライス、欧風カレーと違って、小麦粉を使わない。かといってサラサラのインドやタイのカレーとも違う。関西人のオハコ・だしを利かせているのが特徴の1つだろうか。
「あとは自由」と笑うのは、
『Mカッセ』店主・吐山勇輝さん。
各店で世界各地のスパイスを取り入れ、それぞれに異なる味を作り出している。それを面白がるのが大阪人。だから大阪でスパイスカレーが生まれ爆発的に増えて、日本中の人を惹きつけているらしい。
『Mカッセ』の個性は、吐山さんの経歴にまつわるもの。
フランス料理を学び、スペインバルで働き、そして…何と粉浜の自慢『やろく』で洋食を経験した吐山さんならではのカレーが創造されている。
まぁ、百聞は一見にしかず。食べれば分かる。
まずは、定番のスパイスチキンカレー900円をば。
見て下さい。
このカラフルで楽しい姿!
帆掛け船の帆のようなのは?
「パパドという豆のせんべい。パリパリ砕いて混ぜると食感のアクセントになります」と吐山さん。
キュウリとトマトやレンコンのアチャール(インドの漬物)、ナスのラタトゥイユ、レーズンのクリームチーズ、色んな野菜のピクルス、さらにフレンチ出身らしいキャロット・ラペ(ニンジンサラダ)やキノコのマリネなどなど。
付け合わせが10種以上載っている。
「毎日の仕込みの大半がこの付け合わせ作りです」と吐山さんが笑う。
それぞれ味わってみるのもよし、混ぜてもよし、とにかく身体に良さそうだ。
そしてカレーは…。
驚くほどまろやか。
「ベースが昆布の和ダシなんです」。
なるほど。
日本人の、とくに関西人の舌に合う。
そして軽やか。
小麦粉のルーじゃないから重くないという意味を一口目で実感。そして複雑で重層的なスパイスの香りが心地よい。付け合わせの混ぜ方で、一口毎に味が変化して、あっという間に完食。
ブームの初期の頃に幾つか食べて、こんなもんかと思って、あとは喰わず嫌いしていたスパイスカレーに開眼。
「『辛くないんやって?』と、ご近所のご隠居さんも来てくれるし、高校生まで、幅広い方がいらっしゃいます」との言葉通り、老若男女に喜ばれそうだ。
メニューはほかに、ビスク(甲殻類のスープ)香るキーマカレー1000円や、週替わりカレー1200円~など。
この週替わりが、吐山さんの真骨頂かも。伝統的なフレンチの技法とカレーを合わせて、ユニークなカレーを続々と生み出しているらしい。
「今は、ブイヤベースのカレー」。そのお味は?
次回のお楽しみに取っておこう。
「フランス料理はちょっと敷居が高い。カレーは辛い。そういうイメージでしょ」。
それをサラリと取っ払う粉浜の星、見つけた。
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