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2022/09/30

粉浜の宝物 再発見!「鷹の爪」と粉浜物語 ~後編~

構成・文/団田芳子

社報『住吉っさん』38号を読んでビックリ。
あの“鷹の爪”と、住吉界隈に繋がりがあったとは!
絶滅危惧種・鷹の爪の物語、復活編をお届け。


どれが鷹の爪でしょう?


さて、前回の問題。
この中のどれが鷹の爪でしょう? 
そう問われて面食らわない人がどれくらいいるだろう。

答えは、中央。


実は、いま“鷹の爪”として流通している99%が外国産で、しかも他品種なのだそう。

ちなみに、左から本鷹(ほんたか)、三鷹(さんたか)、鷹の爪、天鷹(てんたか)、益都(えきと)という種類。

本鷹、三鷹は鷹の爪と同じく日本生まれで、三鷹が中国に渡って天鷹に。

最も大きな益都は糖度が高く、キムチによく使われる品種。

三鷹と天鷹は収量が多く、辛みも強いので、世界を席巻しているらしい。


鷹の爪は、小さく可憐な姿をしていて、香りは果実のように甘く、辛みはキレがよく、鋭いのが特長。

やまつ辻田


以上、ウンチクは、全部、和風香辛料の老舗『やまつ辻田』の4代目・辻田浩之さんの受け売りデス。


やまつ辻田


辻田さんは、190㎝、剣道7段、トレードマークの作務衣姿は、武士のように見えるカッコイイお方。
デパートの催事で、作務衣姿の大男がゴリゴリと石臼を挽きながら、香しい匂いを放ちつつ、ハスキーボイスで香辛料を物語るのを見たことがある方もしらっしゃるかもね。





『やまつ辻田』は、堺市の福田にある。

やまつ辻田


西高野街道沿い、長い築地塀に白壁の土蔵、門前の石灯籠も立派な屋敷が辻田家だ。
明治35年から和風香辛料を製造販売している。
地元・福田も、昭和30年代までは鷹の爪の一大産地だったとか。

辻田家では、その種を100年以上に渡り、大事に継承してきた。
辻田さんの畑に行くと、小さな赤い花がたくさん咲いているーと、見えたのは、
天に向かって実をつけた鷹の爪だ。

やまつ辻田


7月にごく小さい白い花が咲き始め、緑の実になり、赤く熟すのには「30度の日が30日必要」だそう。
収穫は真夏から霜が降りる11月半ばまでだ。


収穫のお手伝いをしてみた。

30㎝ほどの高さの木の前に座り込んで、1つ1つ実を採る。
プチンと手折るのは、なかなか小気味よい。

だけど、1キロ収穫するのに3時間はかかってしまう! 1キロは選別して乾燥させると300gにしかならない。


「三鷹ならワサーッと8房に成っているから、根元から引いて、おだ掛けにして実を採るので、量が取れるんですよ。単性の鷹の爪は手間が倍以上で、採算も取れない。それで栽培をやめる農家が多かったんでしょうね」と辻田さん。

現在は、種を分けて、奈良、和歌山、京都、長野などで、少量ずつ栽培してもらっているという。



やまつ辻田


収穫したら、自宅横の工場で選別。

粉にする分は、石臼でついて、ふるいにかけて、鉄鍋で焙煎して、ようやく真っ赤な粉になる。

『やまつ辻田』の“極上大辛鷹の爪一味唐がらし”なら、鷹の爪の果実のような香りと切れ味鋭い辛さを味わえる。

七味にも、もちろん鷹の爪が入っている。

ほかに、実が成るまで20年を要する実生の柚子、四万十の青海苔、目が覚めるほど清々しい香りと辛みの山朝倉山椒など、プレシャスな7つを絶妙のバランスで合わせてある。


素晴らしい香りは、まるで和のアロマだ。



やまつ辻田


そんな稀少な鷹の爪を使った七味や、鷹の爪の小瓶や小袋などが商品化されている。

袋を開けて、香りを嗅ぐとほんとにウットリしてしまう。

いつものお家のうどんが、ビックリするくらいのご馳走に変身するほど!


『やまつ辻田』は、日本でも最高の和風香辛料の店として有名で、「うどんの今井」「美々卯」などで卓上に置かれているし、阪急、阪神、高島屋などデパートでも販売している。

小袋は、裏に切手を貼って小粋なハガキ代わりにもできるという面白い趣向。




さて、前編で紹介した住吉大社の社報『住吉っさん』38号の記事は、「このトウガラシ“鷹の爪”のDNAが受け継がれた、なにわの伝統野菜“堺鷹の爪”が再び住吉街道の賑わいの立役者になるという夢物語が浮かんだ」―と結ばれている。


住吉大社の門前町・粉浜で、“鷹の爪”がまた、魔除けや厄払いに、お料理に、お参りの土産物として、並ぶようになったら。ピリリと上品な辛みが粉浜の名物になったら、いいなぁ。

ともあれ、まずは、その上品な香りや高貴な辛さを体感していただきたい。


というわけで―!


10月から、商店街の3つのお店で、やまつ辻田の七味を数量限定で販売します。

ぜひ、お試しを。





『やまつ辻田』


やまつ辻田

和風香辛料の専門店。鷹の爪のみならず、胡麻、山椒、柚子、柚子胡椒、柚子ポン酢など、ピカイチの商品がいっぱい。それぞれに深い物語があります。
ホームページを覗いてみてください。また、ゲストルーム「道」では、さまざまな和風香辛料が紹介されています。詳しくはお問い合わせを。


やまつ辻田
堺市中区福田280 
問い合わせ 電話072-236-1223





★粉浜商店街で買えます!
大阪府認定・なにわの伝統野菜・堺鷹の爪が入った、『やまつ辻田』の七味 販売どころ


『Side dish わ』(5番街)

こはま日和 2021年10月2日「粉浜の宝物~第1弾で紹介」

サイドディッシュわ


栄養士の資格を持つ若林さんが、毎日手作りするお惣菜のお店。
きれいで見やすいショーケースには、サバの味噌煮やポテサラなど、バラエティーに富んだおかずが15種も揃っています。
近ごろは棚にコーヒーや紅茶も。
そこに七味も仲間入りします。

5番街 10:00~16:00か17:00、木曜、祝日休み





『寺田園茶舗』(1番街)

こはま日和 2021年10月2日「粉浜の宝物~第1弾で紹介」
※移転してお店が変わっています

寺田園茶舗

粉浜の頼れるお茶屋・寺田さんが、1番街のはじっこから、今年2022年より少し公園よりにお引っ越し。広くて立派なお店になりました。

7月からはカフェもスタート。
水出し緑茶に、茶せんを使って点てた抹茶や、抹茶オレなど、
100円~300円でテイクアウトやイートインできます。
淹れたてのお茶の美味しさは格別!香り、味わいに癒されます。
お茶のついでに七味も買ってみて! 


1番街 10:00~18:00(火曜日は~15:00)、木曜休み





『すし聖月』(1番街)

こはま日和 2022年7月8日「上を向いて歩こう その5の2 特別編で紹介」


寿司聖月

「お寿司も美味しいし、看板の文字がいい」とみんなが褒めるお寿司屋さん。
店主の足立和隆さんは、寿司を握って30年、そして書道歴は50年!看板、幟やメニューも足立さんの手書きなんですって! 
節分には1000人を超すお客様がいらっしゃる大人気店。
テイクアウトが中心だけど、お店に落ち着いたイートインのスペースもあります。
お寿司と一緒に七味も、いかが?


1番街 9:00~19:00 火曜休み



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