こはまの宝物 〜うまいもん!深掘りシリーズ〜『うしや精肉店』
構成・文/団田芳子
ハレの日のご馳走ステーキならお任せ!サブスクもやってるよー!
今回は、商店街の老舗の1軒、昭和8年創業のお肉屋さんを深掘りしちゃいます。
「創業者は、うちの奥さんのオジサンで、奥さんの両親が継いで、それから僕。今は、次男の貴生が4代目修業中です」と、店主の福山雅之さん。
実は、20年ほど前に、「あまから手帖」の商店街連載で、粉浜を訪れた際も、こちらに立ち寄り、レシピなどを豊富に作って、お肉に付けてくれるアイデアに驚いたものでしたが、あれから品ぞろえは大いに変化したよう。
「4-5年前から伊賀牛をメインに据えてます」と福山さん。
「お客さんから美味しいお肉があると聞いて興味を持ってたんですが、伊賀は流通が特殊でなかなか買えない。ようやく知り合いを介して仕入れできるようになりました。
伊賀牛と一口に言っても生産者によって質は異なります。うちはほんの数十頭だけを大切に飼っておられる近藤牧場さんから入れてます」と、11㎏の巨大な肉塊をお披露目。サーロインだそう。
「A5とかA4などの等級より、サシがきれいに入った見た目より、食べて美味しいお肉を選んでます」とのこと。
「それには血統、餌、肥育日数、そして誰が育てたかが重要なんです」。
何と、毎月、片道1時間半の道のりを、伊賀まで仕入れに出向いて、毎月1頭分を買い付けてくるのだそう。さらに、その牛のホルモンも手に入ることがあるらしい。
これは是非とも味わってみたい!!
常にもっと美味しい肉をとアンテナを張っている福山さん。
豚肉も、「九州艶ポークを食べたとき、豚でもこんなに違いがあるのかと衝撃受けて」、早速、九州へ。
『うしや』さんは行動する肉屋なのだ。
「顔を見て話しをせんと分からんやん!」。
そうして今は、艶ポークのほか、静岡県の国産マンガリッツァ豚、沖縄・石垣島の南ぬ豚(アグー)の3種を扱っている。
それぞれどう違うの?と訊けば、即答。
「艶ポークは旨みがスゴイ!キムチ鍋とかにいいね。マンガリッツァ豚は牛肉より赤身の味が濃い。しゃぶしゃぶにすると最高!アグーは、脂が一番優しいね」。
そこで奥さんが「ブロック肉をローストして、パイナップル載せて食べたらもの凄く美味しかったってお客さんが仰ってましたよ!」と。
どの肉も、生産量が多くなく、大手スーパーなどには決して並ばない稀少なものだ。これが近所で買えるなんて誠に有り難い。
美味しい肉にまっしぐらに向かっていく福山さんを、
「とにかく職人気質なんですよ」
と言うのは、4代目修業中の息子・貴生さん。
東京でネット関係の会社に7年半勤めた後、2021年より家業へ。そもそも家業を継ぐために社会経験とスキルを身に付けてきたというのだから出来た息子ではないか。
貴生さんは、早速、得意のネットでお肉のサブスク『うしやMEATBOX』をスタート。精肉店としては珍しい試みだ。
しかも、内容が振るっている。
「毎月ステーキや切り落としが届くんじゃなく、肉屋ならではのテーマを決めて、楽しくて美味しいお肉たちを数種組み合わせてお送りしています」。
たとえば10月のお届け予定は―
・くまもとあか牛 フィレ サイコロステーキ
・南ぬ豚 バラ しゃぶしゃぶ用
・国産マンガリッツァ豚 バラ しゃぶしゃぶ用
・伊賀牛 カレー・シチュー用
・熊本艶ポーク 肩ロース(ブロック)
・特製サラミ/チョリソー
大人2名用10000円(税、送料込み)
もちろん、母による料理レシピ付き!
歴史ある老舗だが、新しいことにもガンガンチャレンジしている『うしや精肉店』であった。
1番街 9:00~19:00 お休みは木曜と、月に1度水曜。
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